劇場版名探偵コナン「黒鉄の魚影(サブマリン)」の感想とハロウィンの花嫁との比較

劇場版名探偵コナン「黒鉄の魚影(サブマリン)」の感想

総評

初期の劇場版コナンに戻ったような
ミステリーとアクションのバランスが良い作品

こだま監督時代のようなミステリー要素満載の作品に戻りつつ、世論が上手く反映されているなあという要素もあり、ハロウィンの花嫁や緋色の弾丸、純黒の悪夢よりも面白かった。

純黒の悪夢やゼロの執行人のような後半は激しいアクションのパターンだと正直途中で「またアクションか~」と飽きる部分がありましたが、黒鉄の魚影はアクションを挟みつつミステリーに重きを置いているので最後まで飽きることなく見れました。

ここ数年の劇場版名探偵コナンは、原作やアニメを見ていないと話についていけないんじゃないかなあとという部分がありましたが、黒鉄の魚影は最新話まで原作を読んでるよ!って方も楽める要素満載ですが、ほとんどコナンを知らない人や、久しぶりコナンを見るという方でも楽しめる作品だと思います。

どんな方でも楽しめるように脚本が凄く丁寧に作られているのが伝わります。

黒鉄の魚影がこれだけ面白いと、元の業火の向日葵の元々の脚本も見てみたくなりました。

業火の向日葵と黒鉄の魚影は共に櫻井武晴さんが脚本を担当していますが、業火の向日葵は元々3時間分の脚本が書かれていましたが、大人の事情で映画ではものすごく書き換えられたそうです。

黒鉄の魚影の伏線が散りばめられている感じや映画のテンポは、世紀末の魔術師に似てると個人的には思いました。

良かった点

伏線が散りばめれているのが面白かった

  • ネイル
  • フサエブランドのブローチ
  • コーヒーの飲み方
  • ベルモットのスーツケース
  • ピアスの位置
  • イルカ

と随所に伏線が挟まれていて、世紀末の魔術師のラスプーチンのアナグラムや肉買ったべかの伏線みたいで面白かった。

「これは2回3回と見たくなる作品やわ」と思いました。

伏線が全部わかったあともう1回見たら、「あぁこれな、ここがあとのあのシーンにつながるんやな」と1回目に見た時とはまた違う楽しさがあります。

ハロウィンの花嫁はただ楽しくて&参加型のイベントがあったので複数回参列していましたが、黒鉄の魚影は気が付いたときには2回、3回と潜っていました。

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哀ちゃんの成長

これまでずっと後ろ向きの考えで、「謎めいた乗客」や「天国へのカウントダウン」ではすぐ「死」を選ぼうとしていた哀ちゃんが、黒鉄の魚影では生きることを前向きに選択。

天国へのカウントダウンのときの哀ちゃんは、1人でゴットファーザーみたいな映画を観に行ってましたからね。

哀ちゃんは本当に性格変わった。

そこを上手く書かれてるのは、立川監督だからできたんだと思います。(ゼロの執行人のときも哀ちゃんの描写がうまかった)

コナン達や博士にたくさん愛情を貰ったおかげで、哀ちゃん自身良い方向に向かっていく姿はもう泣ける。

ちょっと最後はいつもの哀ちゃんになって海に残ろうとするけど、それでもだいぶ前向きになったよ哀ちゃん。

哀ちゃんヒロインの今作だからこそ、この変化がしっかり描くことができたんでしょうね。

「このまま幸せになってくれ」と母親目線で見てるので、最後はハッピーエンドにしてください青山先生。

コナンと佐藤刑事

哀ちゃんを奪還するために必至すぎて、佐藤刑事に怒鳴ってしまうくらい冷静さに欠けたコナン。

最後の方で「あのときは怒鳴ってごめんね」「あのときは信じてあげられなくてごめんね」とお互い仲直りするんですが、その言葉に26作品の重みが感じられました。

短い言葉の中に、原作を含めたコナンと佐藤刑事の関係の深さが伝わってくるあの雰囲気がもう最高に良かった。

阿笠博士の活躍

家族のように大事にしている哀ちゃんを取り戻そうと必至な博士がもう泣ける。博士かっこいいぞ!

でも黒鉄の魚影のプレストーリー「灰原を狙うカメラ」の方が泣きました。

灰原を狙うカメラだけでいいから配信して欲しいくらい博士のセリフが泣けた。

ピンガのキャラが良かった

  • 最後まで悪役
  • 実際にいた人をモデルにしている
  • 現代の要素が詰まっている

漆黒の追跡者のアイリッシュ、純黒の悪夢のキュラソーは最後は味方になってから死んでしまいますが、今回登場したピンガは最初から最後まで悪役に徹していたのは新鮮でした。

女装しているという設定も面白かったですし、ジェンダーレスが騒がれている現代っぽいなと思っていましたが、女と偽り18年間も夫を騙し続けたシーペイプーという男性スパイをピンガのモデルにしたのかもしれません。

シーペイプーについては、こちらのサイトが1番わかりやすく紹介されていました。

ピンガはジンをライバル視している黒の組織の中でも珍しいキャラで、ピンガの挑発に乗るジンも見れたり、敵ながら死んでしまったのが惜しいくらい良いキャラでした。

声優さんがピンガのキャラに合っていたので、余計魅力的なキャラに見えたのもあります。

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映画の中で描かれていたピンガのお酒は、カシャーサ(別名:ピンガ)と呼ばれるお酒でした。

眠りの小五郎の活躍

個人的1番嬉しかったのは、眠りの小五郎のシーンがあったことです。(劇場コナンでは絶海の探偵以来?)

劇場名探偵コナンではコナン自身が事件解決するのがほとんどですが、今回は原作のように【毛利小五郎を眠らせる→蝶ネクタイ型変成器】で事件の謎解きをするシーンが描かれていて、「そうそうこれがコナンなんよ!」っていう安心感がありました。

セーラームーンやプリキュアみたいに、どんな話でも最後はいつも通り敵を退治する“お約束の展開”だからこそ面白いと思うタイプなので、眠りの小五郎展開は本当に嬉しかった。

ハロウィンの花嫁では序盤で離脱したので、黒鉄の魚影では活躍させたかったんでしょうね。

逆ににハロウィンの花嫁で活躍した少年探偵団は序盤で離脱、高木刑事は登場せず。

少年探偵団の活躍が見たかったという意見もありましたが、私はキャラが順番に代わっていく方がわかりやすくていいなと思いました。

キール(水無怜奈)の活躍

予告からキール(水無怜奈)が登場するのはわかっていましたが、あんなに重要なポジション的で登場するのが意外でした。

キール(水無怜奈)のキャラも好きですが、声優を担当されている三石琴乃さんのおかげで作品の深みが増していると言っても過言ではないくらい、胸に刺さる何かがあります。

セラムン世代っていうのも大きな要素かもしれませんが。

キール(水無怜奈)が自身の父親を思い出すシーンや、何とかしてニーナや哀ちゃんを助けてあげようとするところで、三石さんの声だからこそ余計にグッと感情移入してしまいました。

もう黒鉄の魚影見て帰ってからすぐに「赤と黒のクラッシュシリーズ」一気見しました。

ベルモットの普段の様子が垣間見れた

「A secert makes a woman woman」「どいてエンジェル」と数々の名言を残してきたベルモット姉さんが、愛犬ボルゾイとあんなリラックスしてる姿が垣間見れただけで普通に映画代の元は取れた。

コナン好きならこの気持ちわかってくれるはず。たぶん…。

ベルモット初登場時(「黒の組織との再会」)は、あんな綺麗に描かれていなかったし、まさかこんな好きなキャラになるとは思ってなかったですけどね。

ベルモット姉さんと宮野志保のドレス姿が見れるananはもちろん購入済みです。(附属のポスター最高‼)

ライ、バーボン呼び

今回思ったより登場しなかった安室さんと赤井さんですが、「ライ」「バーボン」呼びにレベルアップしてたのはもう胸アツ。

迷宮のカクテル(後編)でお茶会をするまでは描かれていましたが、どうやらあのあと2人のわだかまりが解けたようですね。

誤解が解けたようで本当良かったよー‼

キミがいれば

ハロウィンの花嫁で復活した「キミがいれば」が黒鉄の魚影でも使用されていたのが良かった。

“お約束の展開”というかもうお約束の曲なので、これからの劇場版名探偵コナンでもずっと流して欲しい~!

残念だった点

14番目の標的のオマージュ

黒鉄の魚影が炎上した原因の14番目の標的の“Aの予感”のオマージュ。

賛否両論でこのシーンが良かったという声もたくさんありましたが、正直コ哀派の私でも受け付けなかったです。

もちろんその部分に配慮してなのか、14番目の標的のときと違いキスシーンをハッキリと描いていないのですが、それでもコナンと蘭の綺麗な思い出を汚されてような気分でした。

哀ちゃんをアンデルセン童話の人魚姫に重ねて描いているのか、コナンにはキスしたことを秘密にして、最後は蘭に返しますがそれでもそれでも納得しきれない。

キスするのは全然いいけど、14番目の標的のオマージュじゃなくて新しいストーリーにしてくれたら良かったのになぁという思いがどうしても拭い去れませんでした。

登場キャラが多すぎる

登場キャラが多すぎて、1人1人の登場時間が思ってたより短く探偵たちの鎮魂歌の時のような“キャラ渋滞”感があった。

FBIの2人登場する意味あったんかな?ってくらい活躍するシーン少ないし、それならキャンティとコルンをもうちょっと出して欲しかったなあ。

「黒鉄の魚影(サブマリン)」と「ハロウィンの花嫁」を比較

  • ハロウィンの花嫁:コナンファン、ヲタ活したことあるなら絶対楽しめる作品。でも新規ファンや子供向きではない。
  • 黒鉄の魚影:老若男女問わずコナンをちょっとでも知ってたら楽しめる作品。でも古参ファン置いてけぼり感がある。

個人的には黒鉄の魚影の方が好きですが、毛色が違う作品なので好みは分かれるだろうなと思います。

どこかで見かけた例えなんですが、「黒鉄の魚影が一蘭のラーメンなら、ハロウィンの花嫁は二郎系のラーメン」という例えが一番しっくりきました。(要は黒鉄は万人受けしやすくて、ハロ嫁はマニア受けしやすいってことです)

ここから先はめちゃくちゃ長くなるので、マニアな方以外は全然読み飛ばしてください。

「黒鉄の魚影」基本情報 「ハロウィンの花嫁」基本情報
キャッチコピー 「死ぬな、灰原──」 「永遠の愛、誓ってもいいよね? 」
公開日 2023年4月14日  2022年4月15日
監督 立川譲  満仲勧
脚本 櫻井武晴  大倉崇祐
主題歌 スピッツ「美しいひれ BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」

監督を比較

ハロウィンの花嫁

動画工房出身の満仲勧監督。

人気バレーボール漫画「ハイキュー」の監督を担当した際の評価も高く、ハイキューの監督が変わったときは 「満仲勧監督に戻って欲しい~」という声がたくさんあったくらいです。

キャラデザは好き
でもギャグ要素はコナンっぽくなくて違和感があった

黒鉄の魚影

ゼロの執行人の監督を務めた立川譲監督。

安室さん人気に拍車をかけたアクションシーンも好評で、ミステリーにも定評があります。

作画はハロウィンの花嫁の方が好き
でも立川譲監督だからこそ哀ちゃんが
原作通りの哀ちゃんのままだった

脚本家を比較

ハロウィンの花嫁

劇場版名探偵コナンシリーズではから紅の恋歌、紺青の拳を担当された脚本家の大倉崇祐さん。

大倉崇祐さんは古畑任三郎や刑事コロンボのような、最初に犯人の犯行が明かされアリバイを崩していく“倒叙ミステリ”がとにかく上手い。

ただ、から紅の恋歌、紺青の拳も監督がアクションシーンに重きを置きすぎて脚本の良さが活かしきれていないという印象です。

コナンファン向きの伏線やオマージュが面白かった
ただ、あまりコナンを知らない人には
わかりにくいだろうなという印象

黒鉄の魚影

劇場版名探偵コナンシリーズでは絶海の探偵、業火の向日葵、純黒の悪夢、ゼロの執行人、緋色の弾丸を担当された脚本家の櫻井武晴さん。

人気ドラマ「相棒」や「科捜研の女」などのミステリーの脚本を担当されることがほとんどです。

立川監督とはゼロの執行人でもコンビを組まれています。

久しぶりにコナンを見たという方でも楽しめる面白さ
ただ、ラブコメシーンが…

個人的な感想

ハロウィンの花嫁

良かった点

ハロウィンの花嫁の感想をひと言で表すと、コナンファンは120%楽しめる作品

コナン原作、コナンスピンオフも全て履修済みの人ほど、黒鉄の魚影よりハロウィンの花嫁の方が面白いと感じるんじゃないかなあ。

初見でキャラの名前が覚えられるくらい個性的なキャラクターが登場するし、ストーリーもわかりやすい。(この逆は業火の向日葵)

ハロウィンの花嫁はストーリーが面白いだけではなく、キミがいればの復活、コナンファンが楽しめるように過去のコナン作品からのオマージュや警察学校編、犯人の犯沢さん、ゼロティーなどのスピンオフも絡めているので、そこに気付けると本当に面白い。

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原作を読んでる方ならわかってもらえると思うんですが、コナン101巻、102巻を読むとまたハロウィンの花嫁を見たくなりません?

それがね、本当ハロウィンの花嫁って凄い作品やなと思うんですよ。

あと単純に絵が綺麗。警察学校メンバーも作画崩壊せず、あれだけのアクション描いてて凄いなと。

もう一つは私が聖地巡礼好きなので、聖地巡礼という視点から見ても、映画の舞台が渋谷駅周辺で固めてきたのがファン心わかってるなと思う。

今まで聖地巡礼したことない人でも、「渋谷スカイなら近いし、行ってみようかな?」と思ったり、実際に行ってみた人もいるはず。

映画の中だけではなく、3次元でも楽しめるとより作品が好きになりません?

聖地巡礼した作品を見返す度に「あぁここ行った行った」→聖地巡礼のこと思い出す→作品愛が深まる。この流れめちゃくちゃ楽しいやつ。

ハロウィンの花嫁公開時には渋谷にある東急ホテルとコラボしてベルツリーホテル企画を開催したり、実際に映画のワンシーンが再現できるカフェでコナンコラボのドリンクが提供されたり、ハロウィンの花嫁は劇場版名探偵コナン25作品の中でも1番ファンに寄り添って作られた作品だと個人的には思っています。

気になった点

ただ、ただですよ、コナンファンに寄り添いすぎてあまりコナンを見たことない方やお子さんが見て、ハロウィンの花嫁の本当の面白さに気付けるのか?という疑問は残ります。

だからこそハロ嫁は次郎系ラーメンって例えられるんだと思います。

コナンファンは120%楽しめても、普通の人は60%~70%くらいしか楽しめないんじゃないかな。

例えが他の漫画になるんですが、ハロウィンの花嫁は2.5次元の誘惑みたいな面白さなんですよね。

2.5次元の誘惑を読んだことがあればわかると思いますが、例えがいちいち30代~40代のヲタ向き。(ポケモン、デジモン、スプラトゥーン、仮面ライダー、プリキュア、ハルヒの憂鬱、インターネット老人会etc.)

ただ、その例えがわかる人なら本筋のストーリー以外でも楽しめる要素がめちゃくちゃあるんでヲタ友には気軽におすすめできるんですが、家族や普通の友人には絶対に面白さが伝わらない自信しかないので勧める気もしない。

ハロウィンの花嫁はまんま、2.5次元の誘惑のコナン版。

コナンファンやコナンにハマり始めている人には自信を持っておすすめできるけど、子供がコナン見てるから映画連れて行こうと思ってるくらいの方には「テレビの放送まで待ったら?」って言ってしまうと思う…。

ハロウィンの花嫁は本筋のストーリーだけでもそれなりに楽しめるとは思いますが、最低でも本庁の刑事恋物語、ゼロの執行人を履修していないと、話について行けないんじゃないかなというか、うちの家族がまさにそんな感じでハロ嫁のストーリーにはついていけてませんでした。

映画館で警察学校編のオマージュでみんなが笑っているところで、うちの家族はずっと顔が???で映画が終わってから、「なんであのシーンみんな笑ってたん?」って聞かれて「あのシーンは普通の人にはわからんよなあ」とちょっと説明に困りました。

コナンやってるから見るかくらい感じで見てるうちの家族は、ハロウィンの花嫁より、純黒の悪夢の方が面白かったって言ってたので普通の人の感覚ならそうなるかもねっていうのはわかります。

私の中で劇場版名探偵コナンは、「コナンって高校生が小さくなって事件を解いていく話やんな?」くらいしかコナンのことを知らない子どもでも楽しめる作品であって欲しいので、その点では黒鉄の魚影の方が軍配が上がりました。

黒鉄の魚影はミステリートレインなどの過去作品を見たことない子供でもストーリーを理解できると思うし、原作からもオマージュもありましたが別に気付かなくても映画内の伏線だけ気付けば十分楽しめるはず。

なんで個人的にはハロウィンの花嫁<黒鉄の魚影だと思っています。

もう一つハロウィンの花嫁で気になったのが、原作では見ることのない感じのギャグシーン?が登場したことです。

序盤で博士がボール射出ベルトの実験に失敗したシーン、少年探偵団の紹介シーン、爆弾を仕掛けられたビルから脱出するシーンでちょいちょい登場するギャグシーンのようなのがどうしても受け付けなかった。

びっくりマークみたいなの要らない。

監督の個性なのかもしれませんが、あれはジャンプ系の漫画で見かける感じでコナンじゃない。

瞳の中の暗殺者で、白鳥警部が「毛利さんも一度見てもらったほうがいいかと思って」と精神科の先生を紹介→「そうだなぁ最近記憶が…」→コナン爆笑→コナンげんこつされる。

私の中でこういうのがコナンの正しいギャグシーンだと思っているので、ハロウィンの花嫁のギャグシーンは違和感しかありませんでした。

最近の作品なら、緋色の弾丸のエンドロールのコナンと灰原の阿吽の呼吸に気付く石岡エリー。

ああいう言葉や記号がなくても伝わるのが描き方がコナンというかサンデー系の漫画に求めているものなんですよね。

舞妓さんちのまかないで、キヨちゃんにびっくりマークとか描いたら作品の雰囲気変わってまうやん!コナンも一緒やねんて!って思わず言いたくなるくらい、もう少しコナンの原作に忠実であって欲しかった。

最後に付け加えていいなら、世紀末の魔術師で簡単なロシア語(волшебник конце века=世紀末の魔術師)もわからなかったコナンが、なんであんなにロシア語がペラペラに話せるようになっているのかが気になった。設定ガバガバすぎ!肉買ったべか!

黒鉄の魚影

良かった点

黒鉄の魚影をひと言で表すと、こだま監督時代を彷彿とさせるミステリー要素寄りの劇場版コナンが帰ってきた

ハロウィンの花嫁でそれまでの劇場版コナンに比べて大分ド派手なアクションは減りましたが、それでもちょっとアクション多いなと感じていました。

黒鉄の魚影はハロウィンの花嫁以上にアクションシーンが減って、最後まで飽きずに見られました。

  • ハロウィンの花嫁以前:前半ミステリー→事件解決→後半は全部大爆発的なド派手アクション
  • ハロウィンの花嫁:ミステリー→アクション→ミステリー→アクション→爆発までいかない中規模なアクション→事件解決
  • 黒鉄の魚影:アクション→ミステリー→中アクション→ミステリー→事件解決→大アクション→伏線回収

これ個人的に感じているだけなんで、他の方の意見とは異なるかもしれませんが、黒鉄の魚影はアクションとミステリーの切り替えが多いので最後まで飽きずに見れました。

大画面と大音量の映画館だからこそアクションシーンがより楽しめると思っているので、劇場版名探偵コナンにはアクションシーンはあってほしいんですよ。

ただ、こだま監督以降はそのアクションシーンが長いor派手すぎて飽きる、作画が落ちる、話の内容が薄くなるという悪循環で、映画自体面白いけど見てる途中で飽きたなあと感じることが多かったのも事実です。

それが黒鉄の魚影ではアクションもあるけど、メインはミステリーという昔のコナンのように戻ってくれて最後まで集中して飽きずに見れて本当に面白かった。

でもミステリーメインに戻せたのは、満仲勧監督がハロウィンの花嫁でド派手なアクションにしなくても、劇場版名探偵コナンは面白いという流れを作ってくれたからこそでしょう。

ミステリー路線に戻してくれた満仲勧監督には感謝していますし、また劇場版名探偵コナンの監督をしてほしいと思っていますが、黒鉄の魚影は立川譲監督で本当に良かったと思っています。(絶海と業火のときはちょっと恨んだけど)

立川譲監督だからこそ、原作に忠実な哀ちゃんが描けて、哀ちゃんの成長を感じられたと思います。

個人的には緋色の弾丸の永岡智佳監督の描く哀ちゃんも好きですが、黒鉄の魚影のようなちょっとシリアスな作品にはちょっと合わないと思うので難しいところです。

あともう一点、黒鉄の魚影の良かったところを付け加えるとしたら、容疑者全員を豪華声優陣で固めてきたことです。

本当声優で犯人がわかるシステム見てて面白くなかったから、制作陣にファンの声が届いて良かった。

でもここまで豪華にしなくてもって思うくらい、豪華声優陣で笑ってしまいました。

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気になった点

黒鉄の魚影の作画でも充分綺麗だと思いますが、ハロウィンの花嫁に比べると作画が落ちたなあと感じました。

ハロウィンの花嫁が綺麗すぎたのはあると思いますが、1点気になったのが最後のシーンなんですよ。

え?あれなんやったんやろと思うシーンがあって、黒鉄の魚影の小説を読んで理解できたんですが、たぶん満仲勧監督が担当されていればそんな風に疑問に思うような作画にはなってなかったんじゃないかなと思うと少し惜しいなあという気持ちになりました。

あとはこの記事冒頭でも描いた14番目の標的のAの予感のオマージュですね。

もう理由は記事冒頭で散々書いたので割愛しますが、まあもうちょっと変えて欲しかった。

でね、あともう一つ気になる部分があってね、最後おばあさんが実はベルモットの変装だったと気付くシーンです。

あれ古参ファンと新規ファンで受け取り方変わっているのが凄い気になりました。

  • 古参ファン:ベルモット自身の保身のため&ボスからの命令
  • 新規ファン:ベルモットがブローチのお礼に哀ちゃんを助けた

あえてそういう風にしているのかもしれませんが、「ベルモットはそんな優しいキャラじゃないねん」ってもうちょっとベルモットはベルモットらしくして欲しかったなあ。

14番目の標的とかベルモットの点がね、どうしても古参ファン置いてけぼり感が否めません。

本音を言えば、そろそろ過去作品のオマージュはいいから、新しい見せ場作って欲しいところです。

潜水済みの方も、未潜水の方も黒鉄の魚影を500円で観に行きませんか?

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映画を見て、コナン1話から見てみようかな、黒ずくめ関連の話だけでも見てみたいなという方におすすめ動画配信サービスはこの3つ。

契約している動画サブスク一覧
Amazon Prime Video Amazonプライム契約しているので自動的にこちらも契約。主にワンピース用。
hulu コナン用に契約
U-NEXT セックスアンドザシティ新作、リターントゥハリーポッター用に契約

上記3つの動画配信サービスを契約していますが、コナンメインで見たいというのであれば確実にhulu一択です。

huluだと確実に劇場版名探偵コナンが全作品見られるのと、1話見終わったら自動的に次の話を流してくれる、ダウンロード機能もあるので外で見たい方にもおすすめです。

1番安いのはAmazon Prime Videoですが、1話ごとにYouTubeのような広告が出てくるのが鬱陶しいので、私はコナン用ではなくワンピース視聴用に使っています。

U-NEXTでもコナンは視聴可能ですが、huluの方が使い勝手はいいので、今のところセックスアンドザシティとハリポタ用になっています。

huluやAmazon Prime Videoに比べて、U-NEXTは高いんですが、雑誌も読み放題で毎月貰える1200ポイントは映画のチケットや新作マンガの購入に使えるので、それでコナンの新刊購入や、劇場版名探偵コナンを見に行ったりしてるので一応残しています。

ハロウィンの花嫁はhuluのみ視聴可能でしたが、視聴可能期間は終了してしまったので、ハロウィンの花嫁が見たいという方はDVDを購入するか、TSUTAYA DISCASでレンタルしましょう。

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過去作品の中で1番豪華な声優陣だったかも?と思うくらい人気声優陣で固められていましたね。

「あのキャラのあの声優って…」と気になった方はチェックしてみてください。

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あのシーンのあの内容はどういうことだったのと疑問がある方におすすめ

映画を見たけど細かい部分を忘れてしまった、あそこのシーンの詳しい解説が見たいという方は、小説版「黒鉄の魚影(サブマリン)」がおすすめです。

小説と言っても小学生向けなので文字が大きくて、水稀しまさんの文章が本当に読みやすく、聖地巡礼の記事やどの作品からオマージュしているのか細かく見返すのにとても役立っております。

映画と違い自分のペースであのシーンはこういうことだったのかと理解しながら読み進められるので、あのシーンこういうことだったのかと「黒鉄の魚影(サブマリン)」の内容をより深く理解できるようになるかと思います。