今回の劇場名探偵コナン「黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)」ってどういう意味なのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
今まで劇場版名探偵コナンのタイトルを解説してきた筆者が、タイトルの意味を「黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)」のタイトルの意味を解説して行きたいと思います。
劇場版名探偵コナン「 黒鉄の魚影(サブマリン)」のタイトルの意味は?
劇場版名探偵コナン26作品目「黒鉄の魚影」のタイトルに込められている意味は、
- 黒ずくめの組織が乗船する「黒鉄の潜水艦」を、(花火ボールの)色とりどりの魚影のような光で照らし出す
- 黒鉄色の海底に、潜水艦の魚雷でパシフィック・ブイを沈める
正直、映画を観ていないとこの意味はわからないと思いますが、まだ映画を観ていないけど気になるという方は詳しく解説していくのでこのまま読み進めてください。
この大枠の意味以外に、「こくてつのサブマリン」と呼ぶように漢字の読みと違う理由がタイトルに秘められています。
※ここから先はかなりネタバレを含みます。
「黒鉄の魚影」というタイトルには複数の意味が込められている
先ほど紹介した意味以外にも、「黒鉄の魚影」には複数の意味が込められています。
タイトルの意味 | 黒鉄 | 魚影(サブマリン) |
老若認証システムを搭載したパシフィック・ブイを魚雷で海底に沈める |
|
|
ロケットランチャーで(カクテルの)サブマリノのように潜水艦を沈める | 鉄の意味②:武器=FBIが用意したロケットランチャー | サブマリンの意味②:カクテルのサブマリノ=潜水艦が沈む |
(黒ずくめの組織の乗る)潜水艦を花火ボールであぶりだす | 黒ずくめの組織の乗る鉄のくじら(潜水艦) |
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鉄の橋でニーナは殺される | 鉄の橋 | 魚影=ジンに撃ち殺されたニーナが川に浮かぶ姿 |
劇場版名探偵コナンの26作品目には、コナン達、警察、FBI、CIA、ユーロポール、黒ずくめの組織のメンバーが八丈島に集まる | 元素記号26のFe(鉄) | 魚影の意味:魚の集まり具合 |
※めちゃくちゃ偉そうに書いてますが、映画公開前(3/27)に書いた考察なので、合っているかはわかりません。
映画鑑賞後の4/19に追記しております。
詳しい解説はこのあと書いているので、時間があれば見ていただけると嬉しいです☺
※ネタバレも含むので、まだ映画を観てないという方はご注意ください。
「黒鉄の魚影」のタイトルの意味を詳しく解説
なぜ「魚影」と書いて「サブマリン」と読むのか
劇場版名探偵コナンの英語読みのタイトルには、ダブルミーニング表現が使われていることは知っていますか。
劇場名探偵コナンのタイトルで、漢字で書かれているのに英語読みになるタイトルはたくさんありますよね?(例:紺青の拳、から紅の恋歌)
その場合、英語読みのタイトルには2つの意味がかけられているんです。
例)
- 14番目の標的(ターゲット):ターゲットは、①的 ②攻撃目標の2つの意味を指す
- 漆黒の追跡者(チェイサー):チェイサーは、①追跡者 ②お酒のチェイサーの2つの意味を指す
上記の例を見て頂ければわかるかと思いますが、英語読み方のタイトルがつけられている場合は、ひとつの単語でふたつ以上の意味を持つ「ダブルミーニング表現」が使用されています。
ただ、今回のタイトルはいつもとは異なり、漢字と英語の意味が異なります。
14番目の“標的”を英語にすると読み方と同じ“target”になりますが、“魚影”を英語にすると、“signs of fish”でサブマリン(submarine)にはなりません。
ということは、今回の映画「黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)」というタイトルにはの中に3つか4つくらいの意味が込められているということが予想できます。
そのため、わざわざ魚影と書いてサブマリンと読んでいるのでしょう。
魚影(サブマリン)に隠されたタイトルの意味については、これから詳しく解説していきます。
ハロウィンの花嫁の場合はダブルミーニングではないのですが、タイトルに込められた意味に気づくと映画を観る前から犯人がわかるのでタイトルの意味を考えてから見てみると面白いですよ。
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黒鉄 (くろがね)の意味
- 「鉄・黒金」の意味、“鉄”、“極めて固いもの”、“武器”、“鉄道の略称”を指している
- 鉄(Fe)は原子記号26番目。
黒鉄の魚影が劇場版名探偵コナン26作品目に合わせている - 「てつのくじら」と呼ばれる“潜水艦”を指している
- 黒鉄色の海底を指している
パシフィック・ブイ
「黒鉄(こくてつ)」は“海洋施設:パシフィック・ブイ”のことを指しています。
- 鉄=鉄道=インフラ=世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐ海洋施設パシフィック・ブイ
- 鉄=極めて固いもの=開けてはいけない玉手箱=老若認証
ベルモットが何度も「開けてはいけない玉手箱」と言っており、「玉手箱は海に沈んでおかないとね」と言いながらパシフィック・ブイの防御システムを遠隔操作で邪魔していたので間違いないでしょう。
武器
鉄=武器=FBIが用意した武器
赤井さんが潜水艦に打ち込んだロケットランチャーを指しているのでしょう。
潜水艦
サブマリンには“潜水艦”という意味があるのですが、黒鉄にも潜水艦という意味が込められているんです!
海上自衛隊の史料館に「てつのくじら館」という施設があるので、鉄=鉄のくじら=潜水艦と考えて良さそうです。
黒鉄の魚影に登場した黒ずくめの組織の潜水艦や水中スクーターのモデルになったと思われる潜水艦はこちら。
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これだけ聞くと黒鉄の魚影(サブマリン)というタイトルは、“潜水艦の潜水艦”という意味になるの?と思われるかもしれませんが、映画を観た方ならピンと来ている方もいるのではないでしょうか。
まるで魚影の中に浮かぶ大きなくじらがいるように、潜水艦が浮かび上がるあのシーンです!
あのシーンを再現してみた
ボール射出ベルトの花火ボール(魚影)に照らされた潜水艦(黒鉄)のシーンを指しています。
魚影に見立てた花火の中に黒々と光る潜水艦を見て、ちょっとスイミーのお話を思い出しました。
このシーンを見たとき「黒鉄の魚影ってこういうことなんか!」と、深く納得してしまいました。
*名探偵コナンシネマガイド2023(「立川譲」p46)
海底
映画予告でジンが「沈めてやるよ。黒鉄色の海底に」言っており、黒鉄というタイトルには海底という意味が含まれています。
鉄の橋
鉄=鉄の橋
下の予告をよく見ると舞台はドイツ・フランクフルトとわかり、水中に沈む人影=魚影に見立ていることが読み取れます。
ドイツ・フランクフルトで鉄と言えば“鉄の橋”なので、映画を観る前から鉄の橋の上でジンに撃たれたんだろうなと予想ができました。
ハロウィンの花嫁のときも予告とタイトルに謎解き要素があったので、次回作のタイトル発表が楽しみです。
魚影&サブマリンの意味は?
- 「魚影」の意味、水中を泳ぐ魚の姿、魚の集まりぐあい(魚影の意味)
- 「サブマリン」の意味、潜水艦、下手投げ(アンダースロー)、カクテルのサブマリノ
- スラングでの「サブマリン」意味:海底、底
魚影
- 魚影=(魚影のように見える)水中に浮かぶ花火
- 魚影=潜水艦から発射される魚雷
- 魚影=魚の集まり具合=コナン達、警察、FBI、CIA、ユーロポール、黒ずくめの組織のメンバーが1ヶ所(八丈島)に集まる
- 魚影=ジンに撃ち殺されたニーナが川に浮かぶ姿
アンダースロー
サブマリン=アンダースロー=潜水艦に向けて放った花火ボール
サブマリンの意味を詳しく調べてみると、
〘名〙 (submarine)① 潜水艦。潜航艇。② (潜航する、下から浮かび上がる意から) 野球で下手投げをいう。また、下手投げの投手。出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について
引用元:コトバンク「サブマリン」
アンダースローの意味をもう少し詳しく調べてみると、重量に逆らうように浮上するボールという意味があり、“ボール射出ベルトで潜水艦に向けて放った花火ボール”のことを指しています。
サブマリノ
お酒を飲む方なら知っているかもしれませんが、“サブマリノ”と呼ばれるテキーラ×ビールのカクテルがあるんです。
ビールを入れたグラスの中に、テキーラの入ったショットグラスを沈めるのですが、その沈んでいく姿がサブマリン(潜水艦)に似ていることからサブマリノという名前が付けられたと言われています。
コナンでお酒と言えば、黒の組織が関係しているので、テキーラのサブマリノの意味は込められていることは間違いないでしょう。
もう映画のラストにコナンが潜水艦かパシフィック・ブイを沈めに行く未来しか見えない…。けど、今回はアクションを封印するとか言われますし、どうなんでしょ。
(4/19追記)
パシフィック・ブイを潜水艦で沈めに行く未来は合ってましたが、サブマリノのショットグラスのように沈んでいく潜水艦はパシフィック・ブイではなく、黒ずくめの組織が乗る潜水艦でしたね。
スラングでのサブマリン
サブマリンは潜水艦を指しますが、スラングで「海底、底」という意味もあります。
潜水艦→潜る→海底、底というところから来ているようですが、今回の場合は海底と考えて良さそうです。
なぜこくてつではなく、黒鉄(くろがね)と読むのか?
今回のタイトルを黒鉄(くろがね)と読む理由は、“老若認証”を強調したいからだと思います。
純粋な鉄は白い金属光沢を放ちますが、錆を生じやすい性質があるため、見かけ上、黒ずんだり褐色になったりします。そのためわが国では「くろがね(黒鉄)」と呼ばれていました。
引用元:株式会社剛健「鉄」
このことから、くろがね=白にも黒にもなる=(使いようによっては)善にも悪にもなるという意味が込められていると推測。
老若認証は使い方によっては善にも悪にもある技術ということを強調するため、あえて黒鉄と読むタイトルにしているのだと思います。
これは、黒ずくめの組織がパシフィック・ブイの技術を手に入れたのに潰そうとしていた時に、黒田管理官が「使い方によっては奴らにとっても便利な技術のはずなのに破壊するのか」みたいなことを言っていたので合ってて欲しい!
劇場版名探偵コナン「 黒鉄の魚影(サブマリン)」基本情報
「黒鉄の魚影」基本情報 | |
キャッチコピー | 「死ぬな、灰原──」 |
公開日 | 2023年4月14日 |
監督 | 立川譲 |
脚本 | 櫻井武晴 |
主題歌 | スピッツ「美しい鰭」 |
「黒鉄の魚影」では「ゼロの執行人」に引き続き、立川譲が監督を務める。
「また立川監督の作品を見たい」という声も多く、灰原哀のヒロイン作品にふさわしい監督ではないでしょうか。
脚本は、数々の劇場版作品も手掛ける櫻井武晴。
「業火の向日葵」の件もあり、コナンファンの中でも好き嫌いがはっきりする脚本家さんです。
普段は相棒や科捜研の女の脚本を担当されているからか、櫻井さんが手掛ける劇場版コナンは大人向きなものが多い気がします。
櫻井さん脚本の作品も面白いんですけど、ちょっとキャラの性格が原作とかけ離れてしまうような場面もあるので、反対派の意見もわかるんですよね。
しかも今回の「黒鉄の魚影」は、劇場版コナン作品では駄作になりやすいと言われる「海」が舞台。
海が舞台の劇場版名探偵コナンは、紺碧の棺、絶海の探偵、水平線上の陰謀…。Oh…。
こんな感じなので、観るのが楽しみな一方、駄作方面やったら嫌やなあと観る前からドキドキの作品です。
(4/19追記)
今回の映画は基本に忠実。
こだま監督時代のようなミステリーに重きを置いた作品に戻りつつ、現代の世論が上手く反映されているなあという要素もあり、ハロウィンの花嫁や緋色の弾丸、純黒の悪夢より面白かった。
脚本が上手いというか凄く丁寧に作られているのが伝わり、謎解き要素や映画のテンポは世紀末の魔術師に似てると個人的には思いました。
毛利小五郎が推理するのが何気に1番テンション上がりました。
ただ、炎上?した理由も凄いわかる。
コ哀派ですが、最後はもうちょっと違う締め方が良かった。
コナンと蘭の綺麗な思い出を壊された感じもして、あれはオマージュじゃなくて新しく書いて欲しかったけど、アンデルセン童話の人魚姫をモデルにしてる説もあるからなあ。
それでも面白いのは確かなので、まだ観てないなら絶対に観に行って損はないです。
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映画と違い自分のペースであのシーンはこういうことだったのかと理解しながら読み進められるので、あのシーンこういうことだったのかと「黒鉄の魚影(サブマリン)」の内容をより深く理解できるようになるかと思います。